ホーム:事務所便り:2019年度:

事務所便り2019年11月末号


事務所便り2019年11月末号

第1 税務・会計・法務情報

 《1》年末調整における令和2年用扶養控除等申告書の記載にご注意下さい

 給与の源泉徴収で甲欄適用のためには、扶養控除等申告書の記載が必要です。
 扶養控除の対象者がなくても、記載を省略できない点誤解のないようお願いします。

 今年の年末調整では、扶養控除等申告書について、2年分の確認が必要です。

【1】令和元年分扶養控除等申告書

 給与支給が既にある筈なので、既に記載されている筈です。
 しかし、甲欄摘要で万が一入手未了者分あれば、早急に入手しましょう。

 また、当初記入時と今とで状況に変更ないかの確認も必要です。
 結婚・離婚・出産・死別などの有無を、ご本人に確認してもらって下さい。

【2】令和2年分扶養控除等申告書

 ほとんどの方が、【2】だけを年末に記載すると思います。
 ただ、令和2年分は、記載方法が令和元年分と異なる点ご注意下さい。

 まず、住民税に関する事項の一番下に「単身児童扶養者」欄が追加されています。
 いわゆるシングルファザーやシングルマザーの方が、住民税の非課税対象になる可能性がありますので、対象になりそうな方には、熟読するようお伝え下さい。

 次に、令和2年分の源泉徴収税額そのものは、計算方法が変わります。
 結果、源泉徴収税額表も、新しいものを使う必要があります。

 給与所得控除額や公的年金等控除額が調整されているので。
 収入と所得との関係などがわかりづらくなっています。

 ご注意下さい。

 《2》金融機関勧奨の「節税」不動産投資の罠

 (略)

 《3》富裕層の税逃れ対策強化 海外預金記録の保管要請 申告漏れの加算税軽減も  来年度、対象は1万件超(共同通信)

富裕層の税逃れ対策強化 海外預金記録の保管要請 申告漏れの加算税軽減も  来年度、対象は1万件超
共同通信社 2019年11月03日

 富裕層向けに導入されている、国外財産調書制度・財産債務調書制度について。
 令和2年度の税制改正により、制度強化を図るとの報道がありました。

 これまでは、12月末時点で保有する財産についての開示だけでしたが。
 国外にある銀行預金の入出金記録などの保管を求めるようです。

 対象は、海外保有財産が5千万円を超える富裕層となる見込みです。
 つまり、国外財産債務調書の提出が必要な方は、皆対象になります。

 最終的な改正案がどうなるか不明ですが、注視すべきでしょう。
 12月の自民党税調の動向に注意です。

 《4》海外中古建物による節税手法穴塞ぎについて

 (略)

 《5》コインランドリーは1年目からいきなり『即死攻撃』を仕掛けてくる(コインランドリー投資の失敗事例)

 (略)

第2 研修会情報・執筆情報

 《1》関与先様向研修会

 弊所では、毎年、改正税法研修会を1月に開催し、相続税・贈与税セミナーを秋口に開催しております。

 本年は、1月に改正税法研修会、4月に所得拡大促進税制セミナー、7月に消費税の税率改定対応セミナー、11月に相続税贈与税セミナーを開催しました。

 関与先様で、自社の利用で必要な方は、お申し出頂ければ、セミナー資料等をお渡しできます。

 なお、弊所からお渡しする資料については、上記研修資料を含め、自社以外での利用は行わないよう、宜しくお願いします。必要があれば、別途ご相談頂ければ幸いです。

 《2》外部研修会情報

1)税務研究会 令和2年度税制改正セミナー

 2019年12月23日月曜、大阪OMMビルにて、大阪勉強会グループメンバーによる令和2年度税制改正大綱解説セミナーを行う予定です。

No:122341
気鋭の実務家5人が実務目線で大綱を斬る!
【座談会ライブ】令和2年度税制改正大綱解説
~実務への影響を紐解く~
濱田康宏・岡野訓・内藤忠大・白井一馬・村木慎吾
https://www.zeiken.co.jp/seminar/rs/detail/3360

 《3》執筆情報
1)週間税務通信(税務研究会)
 週間税務通信で月1回連載「実例から学ぶ税務の核心」を大阪勉強会のメンバー(濱田康宏・岡野訓・内藤忠大・白井一馬・村木慎吾)による座談会形式で行っています。

 税務通信3580号 2019年11月11日に「実例から学ぶ税務の核心 第36回 令和元年の年末調整における注意点」が掲載されました。

 本年の年末調整は、昨年と同じというのが基本ですが、税務調査で指摘されることが多い点についての解説に加え、令和2年用扶養控除等申告書の記載欄が変更になっていることについての説明を加えています。

 機会があれば、是非、ご一読下さい。

2)労務事情(産労総合研究所)
 雑誌「労務事情」で月1回法人の給与税務関係での連載を行っています。労務事情 2019年11月15日No.1395では、「税務調査で確認される親族役員・従業員への給与支給」が掲載されました。

 最近の税務調査では、親族役員・従業員への給与支給あるいは関連する経済的利益の供与が注目されている点について解説したものです。

 紙版の事務所便りを配信させて頂いているお客様には、別紙で同時にお送りする予定です。ご覧になって頂き、普段の実務に生かして頂くようお願い申し上げます。

 《4》書籍情報

 今月はございません。

第3 その他
 《1》お勧めの書籍・雑誌

 (略)

 《2》無料Wifi利用時にはVPNの利用を

 最近、飲食店・ホテル・新幹線などで、無料Wifiサービスの提供が増えてきました。大容量の動画・コミックなどの視聴にはありがたい環境と言えるかもしれません。

 ただ、これらのサービスの多くは、セキュリティがほぼない状態になっています。暗号化が一切されていないものも少なくありません。つまり、通信は傍受したい放題、場合によっては、侵入のリスクを増大させることにも繋がりかねません。

 以前と違って、今は、常に、セキュリティの甘い端末は、家電含めて狙われている時代です。セキュリティのない端末は、即座に海外などからの攻撃にあって、乗っ取られることも十分あり得ます。

 では、無料Wifiは使うべきではないか。そう言ってしまえば簡単ですが、なかなか難しいでしょう。そこで、VPNサービスの利用をお勧めします。というか、無料Wifiを利用するのなら、VPNが必ずセットだと考えるべきだと思います。

 私の場合は、パソコン用には「カスペルスキーセキュアコネクション」を利用し、スマホ用には@niftyVPNwifiを利用しています。ウイルス対策ソフト発売各社で提供しており、場合によっては、ウイルス対策ソフト自体に組み込んである場合もありますので、各自でお使いのソフトなどをご確認下さい。

 なお、このVPNソフトも無料のものがありますが、中には、それ自体がウイルスソフトまがいのものも出回っているようです。タダに惑わされず、きちんと信頼できるものをお選び下さい。

参考)

暗号化なしのフリーWi-Fiを安全に使えるVPNって? フリーWi-Fiにつなぐメリットとデメリット、安心・安全な使い方を紹介 清水 理史 InternetWatch 2019年3月22日 06:00

https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/freewifi/1175691.html

カスペルスキー セキュアコネクション

https://support.kaspersky.co.jp/13494

@niftyVPNwifi

https://security.nifty.com/sec24/mobilevpn/