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●2017年10月末日用事務所だより


●2017年10月末日用事務所だより

第1 税務・会計・法務情報

 《1》セルフメディケーション税制は間違いやすいので注意

 既に、1月末の事務所だよりでもご案内済みですが。
 確定申告期が近づいてきたので、再度のお知らせです。

┌─────────────────────────┐
│(ポイント1)従来制度を使う場合は、使えない制度 │
└─────────────────────────┘

 平成29年分から、医療費控除については、従来制度との選択で。
 セルフメディケーション税制の特例を選べるようになりました。
 (以下、単に「特例」と呼びます)

 ◆従来制度と特例は、一度の申告で、どちらかしか使えない。

┌────────────────────────┐
│(ポイント2)足切りが低いが、控除額の上限も低い│
└────────────────────────┘

 特例は、従来の医療費控除よりも、支払額に対する足切金額が低いことが1つの特徴となっています。

 ◆従来制度は10万円(or所得の5%)が足切り。
  ただし、控除額は200万円が打ち止め。

 ◆特例は、1万2千円足切りで、控除額は8万8千円打ち止め。

 →多くは、従来制度が使えていた人は、従来制度を使う方が有利。

┌──────────────────────────┐
│(ポイント3)健康診断等を受けた証明書等添付がないと│
│       ダメ │
└──────────────────────────┘

 申告する方が一定の健康診断を受診していない場合には、特例は使えません。

  申告する方が、いずれかの
┌─健康診断等を受けている必要あり┐
│ │
│・メタボ健診(特定健康診査) │
│・予防接種 │
│・事業主健診(定期健康診断) │
│・健康診査 │
│・がん検診 │
└────────────────┘

 職場での定期健康診断でもよいわけですが、逆に言えば、全額自己負担で高額の人間ドックを受けてもこれは該当しないことになります。
┌──────┐  ┌───────────┐
│医療費制度 │  │セルフメディケーション│
│(従来制度)│  │税制(特例)  │
└──────┘ └───────────┘
   ↓          ↓

 健康診断の     一定の健康診断を
 縛りはない     申告する人が受け
           ていないと
           使えない

 ちなみに、健康診断費用は、医療費控除の対象にならないのは、従来通りです。

┌─────────────────────┐
│(ポイント4)新制度の対象となる医薬品は、│
│       限定されている。 │
└─────────────────────┘

 スイッチOTCと呼ばれる、薬局窓口やドラッグストアで販売している一般医薬品のうち厚労省のサイトでリストに掲載されたものだけが対象です。現在販売しているもののパッケージには、対象品である旨のマーク表示があります。

 そのため、なぜこれはOKで、なぜこれはダメなのという話が生じます。例えば、「ベンザブロックは、青色や銀色はOKなのに、黄色は対象外」となっています。

┌──────┐  ┌───────────┐
│医療費制度 │  │セルフメディケーション│
│(従来制度)│  │税制(特例)  │
└──────┘ └───────────┘
   ↓          ↓

 対象の医薬品    対象の医薬品は
 は一般的      スイッチOTC
           で、リストに
           あるものだけ

 弊所で確定申告を行う場合に、この特例対象になるかどうかを全て確認するのは、実務的には不可能と考えております。★仮に弊所に依頼される場合は、必要な明細をご自身で作成された時にだけ本特例の対象とします☆ので、ご容赦ください。

 どうかご協力とご理解をよろしくお願い申し上げます。

 《2》平成29年度年末調整時での扶養控除申告書確認における注意事項

 平成30年より、配偶者控除・配偶者特別控除についての税制改正が適用されます。そのため、扶養控除申告書の様式も、変更されています。

 ポイントは、
┌───────────────────────┐
│ 年末調整や確定申告段階で、申告されるご本人 │
│ あるいは配偶者の所得状況により、 │
│ │
│・従来とれていた配偶者控除がとれなくなる方や、│
│ │
│ 逆に、 │
│ │
│・従来とれなかった配偶者特別控除がとれるよう │
│ になる方 │
│ │
│ が発生することになる点です。 │
└───────────────────────┘

 そして、これを受けて、
┌────────────────────┐
│平成30年1月以後支払分の給与・賞与から、 │
│源泉徴収税額計算時の扶養親族等の数が、 │
│変更になります。 │
└────────────────────┘

 従来と異なり、2点の違いが生じます。

┌────────────────────────┐
│【1】申告する方の合計所得金額が900万円超の │
│   場合には、配偶者の合計所得金額に関係なく、│
│   扶養親族等の数にカウントできなくなります。│
└────────────────────────┘

(なお、配偶者が障害者に該当する場合は、その場合でも、1人加算できます。)

 ここを間違えてしまうと、平成30年末の年末調整段階で、還付どころか、追加納付が生じて、従業員の皆さんから、事業者の皆さんが責められてしまいます。

 十分にご注意下さい。

┌────────────────────────┐
│【2】申告する方の合計所得金額が900万円以下 │
│   かつ、配偶者の合計所得金額が38万円超で │
│   85万円以下の場合には、扶養親族等の数と │
│   して、1名をカウントできるようになります。│
└────────────────────────┘

 こちらは、あまり出てこないと思いますが、一応お伝えしておきます。

注)
 給与収入しか所得がない人の場合、給与収入と合計所得金額との関係は、次の通りになります。
┌───────────────────────┐
│ 給与収入 103万円 =合計所得  38万円│
├───────────────────────┤
│ 給与収入 150万円 =合計所得  85万円│
├───────────────────────┤
│ 給与収入1120万円 =合計所得 900万円│
├───────────────────────┤
│ 給与収入1170万円 =合計所得 950万円│
├───────────────────────┤
│ 給与収入1220万円 =合計所得1000万円│
└───────────────────────┘

 なお、この扶養親族等の数でカウントできる配偶者のことを、「源泉控除対象配偶者」と呼びます(扶養控除申告書のA欄)。

 給与計算担当者の方は、十分にご注意下さい。

 《3》「年末にかけての経営力向上計画の申請について」中小企業庁(平成29年10月20日)

 前々からの話ですが、注意喚起が出されました。
 該当案件ある方は、そろそろ急がないとまずそうです。


○年末にかけての経営力向上計画の申請について(平成29年10月20日)
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2017/171020kyoka.htm

経営力向上計画に基づく固定資産税軽減措置を利用する場合は、遅くとも固定資産税の賦課期日(1月1日)前までに経営力向上計画の認定を受ける必要があります。

12月に入ってからの申請は、年内に認定が得られない可能性がありますので、極力早期に申請をお願いします。

なお、中小企業経営強化税制(即時償却・税額控除)の場合は、1月1日ではなく各企業の事業年度末が認定の期限となりますのでご注意ください。

詳しくは、「税制措置・金融支援活用の手引き」6ページ、12ページをご確認ください。

(参考)税制措置・金融支援活用の手引き(平成29年10月23日更新)
http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2017/170407zeiseikinyu.pdf


 まだ、生産性向上設備投資促進税制の頭でいる人、ご注意下さい。
 「証明書さえあれば」と思っていると、悲劇が起きます。

 証明書取得→期限内での認定取得、まで終わらないとダメです。

第2 研修会情報・執筆情報

 《1》関与先様向研修会

 弊所では、毎年、改正税法研修会を1月に開催し、相続税・贈与税セミナーを秋口に開催しております。

 本年の相続税・贈与税セミナーの開催は、11月8日木曜午後となっております。お申し込み未了の方で、参加希望の方は担当者への連絡をお急ぎ下さい。

 《2》外部研修会情報

1)府中税理士会研修

 10月12日に府中税理士会で研修講師を務めました。テーマは、誤りやすい役員退職給与の諸問題」でした。

2)しまなみ信用金庫研修

 10月及び11月で全3回に分けて「個人の確定申告書・青色決算書の見方」をテーマに職員様向けの研修会を行っております。10月は福山営業本部で第1回(収入・所得)・第2回(所得控除)を実施しました。第3回(税額控除)は、三原のしまなみ信用金庫本店で実施予定です。

3)税務研究会セミナー

 12月15日(金)に、大阪で、税務研究会主催による「実務目線から平成30年度税制改正大綱を斬る!最も早い税制改正解説セミナー(座談会)」で、大阪勉強会メンバーとともに登壇して講師を務める予定です。

 《3》執筆情報

1)週間税務通信で月1回連載「実例から学ぶ税務の核心」を大阪勉強会のメンバー(濱田康宏・岡野訓・内藤忠大・白井一馬・村木慎吾)による座談会形式で行っています。

 10月では、下記が掲載されました。

【税務通信】(3477号)実例から学ぶ税務の核心 <第13回> 平成29年度税制改正 組織再編成関係の改正② ~適格スピンオフ税制のもう1つの捉え方  (発行日:2017年10月09日)

 《4》書籍情報

 今月は特にありません。